第2回 失ってから気づくもの
みなさんは、今までに自分自身の体について考える機会があったでしょうか?健康な体に感謝をしたことはありますか?
私がクローン病だと診断されるきっかけは「肛門周囲膿瘍」という症状からでした。「肛門周囲膿瘍」とは肛門のあたりに膿が溜まり痛み、発赤を伴います。私の場合は痛みに耐えられず、歩行も困難になったほどでした。そして、微熱だった体温が高熱に変わり、全身倦怠感と痛みとつらさに涙が止まらなかったことを覚えています。
病院を受診し、検査のための入院が決まり、抗生物質の点滴を始めました。1週間ほど点滴と続けると熱も下がり、痛みも軽減してきました。その時はそれでもう治るものだと考えていました。
しかし、検査の前に点滴をやめたところ、立て続けに40度近い熱が出始め、治まっていた痛みもさらに強くなりました。大腸検査をするために大量の下剤を飲み、何度となくトイレに行きました。初めての経験と不安と痛みと脱水症状とが入り交ざり、検査の直前は意識が朦朧としていました。
それでも、何もないことを願っていました。
大腸検査の痛みと麻酔の影響で薄れゆく意識の中、「クローン」という言葉を耳にしました。
幸か不幸か、管理栄養士の免許を持っている私にはそれが何を意味するのか容易に想像できました。
「一生、治らない」
看護師さんの手を強く握りながら、溢れ出る涙を止めることはできませんでした。
その後は、どうやって検査が終わって、病室に戻ったのか全く覚えていません。
その日から、絶食の生活が始まりました。
不思議と「食べたい」という気持ちは1度も起きませんでしたが、食べたいものを食べる自由を失ってしまったことで、生きる気力さえも無くしてしまいました。
管理栄養士でありながら「食べる」こと、「消化・吸収される」ことがこんなにも素晴らしいことだったのだと、失ってから初めて気づきました。
風邪をひいたときに、健康の大切さを知る、とよく聞きます。風邪は治ります。しかしその「気づき」はずっと心に留めておいて下さい。
生活習慣病になる人が増えてきていますがなってからでは遅いのです。まだご自分で病気になるのを止められるのです。健康である体を大切に思いやっていって下さい。
お願いします。
ニックネーム クローン病の栄養士 at 23:14|
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